昨年、制作や広報をお手伝いしたGALAXY Lab.の第二回目がオープンしました。
今年は「Accidental Tools-予測不可能な文房具 -」という、またまた藤幡正樹さんらしいタイトルです。メディアアーティストはこれまでさまざまな最先端のテクノロジーを使ってきましたが、それは開発したエンジニアも企業も市場も予測していなかった使い方でした。もしかしたら、アーティストも手探りのなかで、「手」と「直感」が発見していったオルタナティブは使い方だったんじゃないかと思います。
スマホってこんなにあらゆる機能がそろっているのに、まだまだ使いこなせていない、って思いませんか? たとえばカメラひとつにしても、画素数や解像度は日進月歩で進んでいますが、人間側のほうがついていっていないように思います。そもそもスマホのカメラやモニターって、それまで使ってたデジカメやPCのモニターとは全然違うはず。私たちはそれに対する違う使い方を発見できているのかな? 私たちはどんなふうにテクノロジーに適応しているんだろう。
前回はデジタル・ファブリケーション寄りなテーマでしたが、今回はアプリの開発です。前回のときに生まれたアイディア、あらかじめ用意されたアニメにあわせて撮影し、小さなフッテージを作るアプリ「アフレコ・カメラ」が実現されました。また、ARの技術を使って、渋谷の風景から、街の記憶が呼び起こされるという作品も。こちらは私の大学時代の恩師、萩原朔美さんが出演してくださいました。さすが、元天井桟敷、休日(それも祭りの日)の渋谷の雑踏のなかで、トリッキーなことを演じてくださいました。フッテージは展示会場の大きな地図の上でも見れますが、10/4は実際の街のなかを萩原さん、藤幡さんと歩いて、風景そのものをマーカーにして映像を呼び出していきます。ぜひご参加ください。
展示の方法としても、スマホの画面越しにARの技術を使ってみるものが多いです。映像系の作品展示としても、一石を投じる内容です。
10/3と10/4のトークイベントでは、細馬宏通さん、萩原朔美さんという、多才すぎる方をお招きして、お話いただきます。こちらもすごく楽しみです。
GALAXY Lab. 2014「Accidental Tools —予測不可能な文房具―」
2014.9.25(Thu) – 10.5(Sun) 11:00 – 20:00
会場:渋谷ヒカリエ 8/ CUBE & COURT (東京都渋谷区渋谷 2-21-1渋谷ヒカリエ8階)
入場:無料(事前申込不要)
主催:GALAXY Lab.(東京藝術大学大学院映像研究科+サムスン電子ジャパン株式会社)
協力:渋谷ヒカリエ
URL:http://galaxylab.net/
プロジェクトサイト:http://glab2014.tumblr.com/
【渋谷ARツアー(市街版)】
10.4.(Sat) 13:00 – 14:30
制作:萩原朔美+藤幡正樹
街角のマーカーを読み取り、萩原朔美さんのメッセージ動画を読み解いて行きます。ヒカリエを出て、実際に渋谷の街をみんなで歩きます。
スマートフォンは会場で貸し出します。13:00 にヒカリエ8/ COURTにお集りください。
参加費無料、事前申込不要、定員10名まで(先着順)、小雨の場合は決行、大雨の場合は中止。
【トークイベント】
多才な二人のゲストを招いて、スマートフォンをとおして作る/見る、映像とメディアについて語ります。
会場:渋谷ヒカリエ8/ COURT
1『アニメでメディアを作る?』
10.3(Fri) 17:00 – 18:30
スピーカー:細馬宏通(滋賀県立大学人間文化学部教授)+藤幡正樹(研究推進・教授)
2『拡張現実感って何?』
10.4(Sat) 16:00 – 17:30
スピーカー:萩原朔美(多摩美術大学造形表現学部教授)+藤幡正樹(研究推進・教授)
-fukuda