前回にひきつづき、東京藝術大学大学院映像研究科が主催する映像メディア学サミットLOOPのマネージメントをさせていただきました。
LOOP-02では「マンガ・アニメの映像メディア学的再考~なぜマンガ・アニメは面白いのか~」と題して、竹宮惠子さんと押井守さんという両巨匠を第一部、第二部でそれぞれお招きし、韓国のアニメーション研究家のキム・ジュニアンさんに第二部に加わっていただきました。
第一部では竹宮惠子さんによる漫画家としての歩みを美しい作品の画像と一緒にお聞かせいただき、日本の少女漫画史、そして竹宮さんを含む花の24年組の漫画史のなかでの位置づけ、漫画というメディア、業界の変遷にまで話がおよびました。また大学で漫画を教えられていることについて、東京芸大映像研究科のLOOPならではのお話もきけました。
まだデビューしたての10代の頃から、プロフェッショナルな態度で漫画家という仕事に挑まれ、自分を鍛え上げてこられたことに驚きました。うーむ、すごい。最後に東京都青少年健全育成条例についても触れられ、規制と表現する側の過去、現在、今後についての考えについて述べられました。いまから考えてもかなりのタブーを作品のなかで扱っていらっしゃった竹宮さんの言葉には説得力があり、若い漫画家へのエールを感じました。
第二部では、押井さんによる311後に考えられている「技術の思想」がいまの日本に必要という提言から始まり、触発されるようなお話をたっぷりお聞かせいただきました。作品のなかでロボット、アンドロイド、サイボーグをどのようなものとして扱ってきたか、人形や身体、goastについて、アニメーションというメディア、そしてご自身の作品を含む日本のアニメーションが欧米でどのようにとらえられてきたか、濃ゆい話がたっぷりです。また、キムさんがグローバルな視点から、押井作品、日本人が考える人形やロボットの特殊性など、鮮やかに切り込んでいかれました。
第一部、第二部とも、それぞれまったく異なる偉大なパイオニアのお話はとても貴重で面白い内容になりました!
今回は、USTREAMで、英語、フランス語、韓国語を含む4カ国語同時配信にチャレンジ!(ハードル高かったです。。。)
アーカイブは期間を20日(月)24時までに限定して公開します。
ぜひご視聴ください。
第2回 映像メディア学サミット
LOOP-02「マンガ・アニメの映像メディア学的再考~なぜマンガ・アニメは面白いのか~」
2011年11月12日(土)14:00〜18:00
■出演:第1部:竹宮惠子/第2部:押井守、キム・ジュニアン
■聞き手、モデレータ:第1部:桂英史 / 第2部:岡本美津子
■会場:東京藝術大学上野校地美術学部第一講義室
http://www.fnm.geidai.ac.jp/loop/
LOOP-02 USTREAM archive 日本語版
http://www.ustream.tv/embed/recorded/18465670
- fukuda